短編(30分以下)
網走市で2月27日〜3月1日に行われた国際短編コンペティションの審査結果は以下の通りです。
最優秀賞(金ふくろう賞)

パパとボクの特別な一日
監督:マイケル・ポゴイ|フィリピン
あらすじ 三輪タクシー運転手として懸命に働く父。その父のためにこっそり貯金をする息子の想いは、やがて小さな奇跡を生み出す。
受賞理由 監督の実体験をベースに、心揺さぶるストーリーと軽妙な演出、子役の健気な演技が見事に融合。子どもの貧困や性的多様性といった社会問題にも真正面から向き合い、審査員全員一致でグランプリに選出。

審査員特別賞

ニンマ…彼女のまなざし
監督:リトン・ポール|インド
あらすじ ヒマラヤ山脈の高地にある小さな村で暮らす少女ニンマは、学校に通うことを夢見ている。
受賞理由 美しい風景を背景に、家族同然の家畜と別れを告げる少女の内面の葛藤と成長を、監督が得意とするドキュメンタリー的な距離感で捉えた点が高く評価された。

極寒賞(網走賞)

To. You
監督:キム・ヨンミン|韓国
あらすじ 高校生のサンジョにとって、ヒヨンは初恋の相手。勇気を振り絞って想いを伝えようとするが…。
受賞理由 一途な片思いで自分を磨いていく主人公に、誰もが感情移入。切ない涙を誘うも希望や勇気を与える物語が、凍てつく網走の街を温かく包んだ。

ニポネ賞(観客賞)

Children of the Bird
監督:ジュリア・トゥディスコ|ハンガリー
あらすじ ものを生み出す力を持つ女の子と、こわしてしまう力を持つ男の子。ふたりのあそびの物語。
受賞理由 観客による評価で最高の平均9.5点(10点満点)を獲得。言語や国籍、文化を越えて伝わるアニメーションの表現力は、網走市のマスコット「ニポネ」の名にふさわしく、受賞に疑いの余地はなかった。

各国の映画製作者が集い、熱気あふれるコンペ会場。観客、製作者とともに朝から晩まで、会場で全作品を鑑賞した審査員は、それぞれ異なるバックボーンを持ちながらも、誠実に作品と向き合い、評価が割れた作品もあったが最終的に誰もが納得の審査結果を得た。
中編(30〜60分)
ニセコ(倶知安町)で2月13日〜2月15日に行われた国際中編コンペティションの審査結果は以下の通りです。
最優秀賞(金ふくろう賞)

マレンキイ ━ 小さな仕事と呼ばれて
監督:イシュトヴァ―ン・ヤノシュ・ペカール|ハンガリー
あらすじ 1945年5月、戦争終結の混乱の中、フィレンツは婚約を祝う兄の代わりに密かに強制労働へ向かう。
受賞理由 悲しくも美しい映像の連鎖が深い感銘を与えた。この映画を通して、史実を広めて後世に残し、人類が決して同じ過ちを繰り返さないようにしたいという監督の熱意が伝わった。

審査員特別賞

さまよいの子どもたち
監督:岩本崇穂|日本
あらすじ 母を亡くした姉妹が、夏休みに祖母の家を訪れる。地元の子どもたちと出会い、幽霊屋敷の噂に導かれて…
受賞理由 子どもたちの群像を丁寧に描き、ゾッとするも爽やかな作風が高い評価を得た。普通の子どもたちが演じ、夏休みに低予算で撮ったとは思えない完成度の高さが光った。

倶知安賞

チャーリ・カーンダ(四つの肩)
監督:ビスワナート・ラート|インド
あらすじ 一人暮らしの高齢男性バイディヤナート。死後に棺を担ぐ「四つの肩」はあるのか。
受賞理由 インドの文化や宗教観を背景に、手練れた演出で老人の死後の心配事を軽快なタッチで描き、ほのぼのとした中にも考えさせられる重みのある作品であった。

観客賞

Chair
監督:堤健介|日本
あらすじ 家具職人の双子。兄の影で生きてきた弟は、兄が築いた人生に入り込むが…。
受賞理由 観客による評価で最高の平均8.5点(10点満点)を獲得。ストーリー、演出に加え、二役を演じた保坂直希、熊谷弥香の演技が審査員からも高い評価を得た。

非常にレベルが高く拮抗し、受賞を逃した作品にも審査員ごと個別の評価では1位に挙げられた作品もあった。長編と短編の間で埋もれがちな「中編」というレンジの可能性を感じさせる意義深いコンペとなった。













